2007年10月21日

司馬遼太郎の功と罪

2ちゃんねるの軍板あたりでは「司馬厨」と揶揄され、司馬遼太郎氏の小説を引用して「史実」を語る人は、「小説を鵜呑みにするアホ」と切り捨てられます。
確かに氏の歴史小説は、史実に忠実な研究書というより、一定の史実を元に書かれた娯楽本としての側面のほうが強いように思います。

そんな氏の代表作の一つ、「坂の上の雲」もその最たるもので、読み物としての面白さから、乃木希典以下、第三軍の指導部をこき下ろし、その危機を児玉源太郎が英雄となって救うという、とても痛快な構成になっています。
言うまでも無く、客観性を欠いた描写が多数見られ、全てを史実として理解すると、少々具合が悪いです。

しかしながら司馬遼太郎以前に、これ程のスケールで「日露戦争」を描いた作品は無く、日本がロシアに辛勝したと言う事の意味について、改めて多くの人が考えるきっかけになったという意味において、私はこの歴史小説が大好きです。

近代日本史に興味を持ち、色々な事を調べれば、同作品の客観性を欠く内容にはやがて気がつきますが、その動機付けが無ければ、そもそもそこに至ることもありません。

学校教育で習い損ねた近代日本史について、いまいち興味がわかないと感じている人の最初の入り口として、是非読んでもらいたい一冊であると思います。
posted by ф 九十七式ヘタレリーマン ф at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦史
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