2007年11月21日

秋山好古陸軍大将について

このブログを見に来て下さっている何人かの人から、秋山好古という人の人物像についてのフィールドワークの成果や、好古大将について書かれた本で、面白いお勧めのものを何か教えてくれというメールを何通か頂きました。

一般には、日本海海戦当時に東郷平八郎を支え、平八郎をして「智謀湧くが如し」と称えられた連合艦隊先任参謀、最終階級は海軍中将の好古の実弟、秋山真之の方が有名で、秋山好古が何をし、どのように生きた人なのかについては、司馬遼太郎の「坂の上の雲」で語られているイメージ以上のものがない、というのが普通の歴史ヲタの限界だと思います。

実際に、秋山好古個人だけを扱って出版された本はほとんどないと思います。
私自身、「日露戦争」という括りで好古が登場する本は数多く見ましたが、秋山好古大将を主人公として書かれた本は以下の二冊しか読んだ事がありません。

秋山好古―明治陸軍屈指の名将 (PHP文庫)

名将秋山好古―鬼謀の人・前線指揮官の生涯 (光人社NF文庫)

どちらも面白く、秋山好古大将の人柄や生き方を知る上で十分楽しめますが、研究書としての目新しさがある、という種類の本ではありません。

好古の幼少時代に始まり、軍人になる前に堺県(現大阪府堺市)で学校教師をしていたこと、その際に、同郷の先輩から勧められて半ば無理やり陸士を受験させられたこと。
さらには、「日本陸軍騎兵の父」と言われる好古がなぜ騎兵科を志したのかの意外な理由などが、わかりやすく簡潔に、面白くまとまっている本です。
ちなみに、当然ではありますが弟の真之についての描写も出てきますので、真之好きにも一読の価値があるかも知れません。

ところで、坂の上の雲から入った人で、より秋山好古や、ほかの将軍、提督を知りたいと思ってアマゾンを検索する人も多いと思いますが、この本だけは買って欲しくない、という強いこだわりを持っているクソ本をひとつ・・・

「坂の上の雲」を101倍堪能する 日露戦争明治人物烈伝

坂の上の雲に出てくる陸海軍の将校を、まるでレストランか何かののように面白おかしく意味不明な尺度で格付けしており、取り上げられている個人は勿論、坂の上の雲の文学性をも冒涜するひどい本であると、思っています。

秋山好古大将ももちろん取り上げられており(表紙の写真は好古大将)、好意的に解釈されていますが、なんせ真に受けてほしくない日露戦争関連最悪の本であるとすら思っています。

買った上で読まずに即焼却処分にするのならお勧めですが、地球環境にも優しくないので、絶版になるのを私ともども一緒に願って頂ければ・・・。
posted by ф 九十七式ヘタレリーマン ф at 22:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦史

2007年11月20日

秋山好古大将墓参スナップ写真

さくらのブログに不慣れなせいか、それとも単に酔っ払っていたせいか、昨日は複数のスナップ写真を掲載できずに酔いつぶれ、不覚にも寝てしましました。
改めてタグを直接みてみれば、何のことはないこうやればいいのかということで。。。

好古大将の眠る鷺谷墓地での墓標です。
(好古大将は、別に東京にもお墓があります)

隣接する駐車場から敷地に入ると、すぐに好古大将の案内掲示板があります。

yoshi11.JPG



案内図に従うまでもなく、日章旗が翻っており、すぐにわかります。

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同じ鷺谷墓地に眠る、日露戦争従軍記「肉弾」で有名な桜井忠温陸軍少将のお墓を探しているうちにすっかり暗くなってしまいました。
最後に撮った写真で暗くて見づらくいのですが、秋山大将のお墓の全景です。

yoshi13.JPG

日章旗の下に見える容器は除草剤でした。
地元の有志の人が、いつもきれいに手入れをして下さっているのだと思います。

同じ鷺谷墓地に眠る、桜井忠温少将のお墓は、今回で2回目でしたが、またもや見つけることができませんでした。
時間がなかったという事もあるのですが、無念です。

今度行く機会があれば、松山市役所にでも問い合わせてから念入りに行こうと、思っています。
posted by ф 九十七式ヘタレリーマン ф at 22:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦史

2007年11月19日

【画像有り】秋山好古陸軍大将の墓参りに行ってきますた

軍ヲタでなくとも、司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読んだ事がある人なら、秋山好古陸軍大将の名前を聞いた事がある人は多いと思います。

「坂の上の雲」の歴史描写について、それが小説として書かれたものか歴史研究の結果として描かれたモノであるのかにについては今さら論じる必要はないと思いますが、少なくとも秋山好古大将の後世の評価や研究と、同小説の中で描かれている英雄像とで、それほど大きな違いは無い、明治という時代にのみ存在が許された痛快な英雄の一人だと思っています。
(現代の自衛隊ではもちろん、官僚組織が完成された日露戦争以降の陸軍においては、下手したら中佐止まりであったであろう素行の人物ですw)

個人的に細々と、明治維新の新時代から始まり、昭和20年という、2000年以上に渡って続いた「日本」という国家が初めて「外敵」にその統治権を奪われるに至った近代史を研究するのを趣味にしていますが、その中でも、秋山好古大将を調査するフィールドワークは特に好きで、伊予地方に取材に行くのはこれで4度目、お墓参りに行くのは今回で2度目です。

秋山好古大将という人は、陸軍三長官(陸軍大臣、参謀総長、教育総監)に昇りながらも、その生き方からは私利私欲や栄達の野心をまるで感じさせず、「旧い日本人」として多くの人の共感を呼ぶ人物であったと思います。
(好古は1920年に教育総監に就任し、同23年に予備役に編入され、陸軍を退役)

前置きが長くなりましたが・・・
日露戦争の黒溝台会戦での活躍が有名な好古大将は、同時に日本陸軍騎兵の実質的な創設者でもありますが、そのお墓は、とても日本を代表する人物のそれとは思えないほど質素なものです。

yoshi1.JPG

今でも有志の人によってきれいに清掃が行き届き、毎日日章旗が掲げられるお墓は、墓石の簡素さとは裏腹に、多くの人の想いに支えられ続けてる、とても印象深いものです。
(「永仰遺光」は、「永く仰ぎて光を遺す」と読み下します。)

秋山好古大将のお墓は、道後温泉鷺谷駐車場に隣接していて、同駐車場まで行けばすぐにわかりますが、道後温泉利用客の専用駐車場ですので、駐車するのであれば、日帰り入浴や食事の利用などを必ずして下さい。

よろしくお願いします。
posted by ф 九十七式ヘタレリーマン ф at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦史

2007年10月21日

司馬遼太郎の功と罪

2ちゃんねるの軍板あたりでは「司馬厨」と揶揄され、司馬遼太郎氏の小説を引用して「史実」を語る人は、「小説を鵜呑みにするアホ」と切り捨てられます。
確かに氏の歴史小説は、史実に忠実な研究書というより、一定の史実を元に書かれた娯楽本としての側面のほうが強いように思います。

そんな氏の代表作の一つ、「坂の上の雲」もその最たるもので、読み物としての面白さから、乃木希典以下、第三軍の指導部をこき下ろし、その危機を児玉源太郎が英雄となって救うという、とても痛快な構成になっています。
言うまでも無く、客観性を欠いた描写が多数見られ、全てを史実として理解すると、少々具合が悪いです。

しかしながら司馬遼太郎以前に、これ程のスケールで「日露戦争」を描いた作品は無く、日本がロシアに辛勝したと言う事の意味について、改めて多くの人が考えるきっかけになったという意味において、私はこの歴史小説が大好きです。

近代日本史に興味を持ち、色々な事を調べれば、同作品の客観性を欠く内容にはやがて気がつきますが、その動機付けが無ければ、そもそもそこに至ることもありません。

学校教育で習い損ねた近代日本史について、いまいち興味がわかないと感じている人の最初の入り口として、是非読んでもらいたい一冊であると思います。
posted by ф 九十七式ヘタレリーマン ф at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦史

2007年10月20日

近代日本戦史

戊辰戦争の激しい内戦から始まり、日露戦争の奇跡の勝利を頂点に、太平洋戦争の惨敗に至るまでの近代戦史を趣味で研究しています。

日本人は何に強く何に弱かったのか。
民族的特性として、日本人が組織として動く時、どのような失敗を犯しやすく、一方でどのような局面で強みを発揮できたのか。

近代戦史はそのような課題に、とても多くの示唆を与えてくれるので、興味を持たずにはおられず、毎週2冊のノルマでいろんな立場からの近代戦史の本を読むようにしています。

特に参考になった本は、過去に読んだ本も含めて内容のあらましを紹介していければと思ってます。
posted by ф 九十七式ヘタレリーマン ф at 10:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦史